こんにちは。 醤油エバンジェリストの片山正樹です。
先日、ついにしょうゆをしぼりました。仕込んでから1年と2ヶ月が過ぎた4月末。
前回も書きましたが、この時期は混ぜすぎ注意ということであまり混ぜていません。せいぜい週に1回程度。
さて、しぼり方。説明書を確認します。
「付属のしぼり布に諸味を入れて、1日または一晩、時間をかけてゆっくりしぼって下さい」。以上。シンプルです。
ただ、1日中つるしていても邪魔にならない場所ってなかなかなく、でも仕方ないのでキッチンのど真ん中で。
諸味は見た目、とても固そうです。ほんとにここから液体が出てくるのか?
とりあえず諸味をしぼり布に入れてみました。
しぼり布は木目がとても細かく、しょうゆが流れ出てくるというのではなく、布の外側に染み出してきて、それが数秒ごとにポタッ、ポタッ、と落ちてくる感じです。いやー、なんと気の長い。
30分くらい経ってもしょうゆはそれほど染み出してきません。
2時間経ってもまだこのくらい。
明日の朝にはどれくらいになっているのか?
そして翌朝。
見てみると、昨日の夜からそれほど増えておらず。。。
一晩では難しいのかなと思い、そのまま放置して出かけました。
そして夕方。
いやー、まさかの写真撮り忘れ。しかし、朝からそんなに変わってません。。。
説明書を読むと「無理にギュウっとしぼるとおしょうゆが濁ってしまいます。」との記載。
しかし、1年以上かけて育ててきて、これで終わるわけにはいきません。
ボールに溜まったしょうゆを一旦小ビンに移してから、しぼり布をギュウウウウっとしぼります。
そう、素手です、素手で。よく手を洗ってから、しぼり布を、ギュウウウウウっと。
握ったところで、なっかなか出て来ず。思いっきり握っても、しぼり布からちょっと染み出す程度。
とにかくずっと握り続けました。20分くらい。
20分間握り続けるって、たいがいです。握力がなくなっていきます。
諸味はもちろんどんどん水分が失われていきました。が、まだしょうゆがとれそうな気がします。
(以前に醤油蔵で見学したときにみたしぼりかすはカラカラで、せんべいのようでした。けっこうおしかったけど)。
でも、いくら握り続けても染み出すしょうゆはせいぜい、10秒に1滴。
あきらめました。。。
そして今回とれたしょうゆがこちら。
右が「袋吊り」、左が「しぼり」です。左はやっぱり、ちょっと濁ってます。
袋吊りでもおそらく100ccもなく、しぼりも50ccほど。1年以上かけて約150ccのしょうゆがとれました。
いやー、しょうゆづくり、たいへん。
もともと、しょうゆキットの半分の量で仕込み、醸し中もスプーンで混ぜては食べていて、しぼるときには諸味は最初の半分になっていたので、そんなものと言えばそうかもしれません。
こうして、火入れをしていない、ホンモノの生しょうゆができあがりました。
これだけ苦労してつくったしょうゆなのでどんなものに使おうか、迷います。やすやすと使うのはもったいなくて。
でもまあ生しょうゆなんで、火を通すものよりは刺身とか冷や奴とか、生で食べるものに使っていこうかと。
よくも悪くもせんべいほどまでには固まっておらず。
いわゆる諸味とまではいきませんが、しょうゆ味が十分残っていて、このまま「固形しょうゆ」として使ってます。生野菜につけたりして。
そんなこんなで、1年かけた「はじめてのしょうゆ醸し」、無事完了しました。
1年間かけて9回レポートさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
講座ではこのようなしょうゆづくりの実体験も含めながら、しょうゆのお話をしていきたいと思っています。
これまでお読み頂きありがとうございました。
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